男性が残ると・・・

こんにちは。【タオルはまかせたろ.com】タオルソムリエの寺田です。

「京都工芸さん、お母ちゃんが死んでもたがよ・・・。」

電話口の向こうでささやく声は遠いほどはかない。

数珠を持って寄せていただいたのは夕方18時をまわっていました。
永年民生委員の会長のお役目をされている姿からいつも朗らかで
かつ人には優しいところを律して発言される強い心兼ね備えた方でした。

いつもご自宅に寄せていただくと冬はホット、夏はアイスコーヒーを
お菓子と共に奥の部屋から奥さんが持ってきていただき
「いつお御無理言うてます」っと挨拶いただいてました。

時にはご主人が「おかあちゃん、これ(敬老会の景品)にしようと思うけど
どう思う・」っと一緒になって商品を選ばれる時もありました。

絶えずご主人を立て前に立たず控えめなお姿は昭和の女性として美しく
思えました。

昨年の夏に入院され今年の2月の誕生日を迎えた後に肺炎を患い他界。
享年84才という生涯だったそうです。

仏間で線香をあげさせていただきながら亡き姿に思いを寄せて
いくら泣いても話しかけてもお母ちゃんがいないと話される姿に一緒に涙してしまいました。

女性より男性の方が女々しいと言われますが
あの亭主関白であった姿からは想像しない弱々しい姿になっておられました。

しかしそれも永年いつも相思相愛であったことの証。

出てくる話は相手を思いやる愛ある内容ばかりでした。

私達はそばでいつもそのようにお二人を見ておりました。

亡き妻への思いは計り知れないことでしょう。

時が解決するとお坊さんに言われても今は
受け容れられないご様子でした。

それでも私のようなものにも連絡をいただきお参りさせていただけることで
奥様の御霊前で偲ばせていただける機会を
いただきました。

あいりしの日のお写真は今にも奥の部屋からいつものように出て
お茶を運んでくださるかのような優しいお顔をされていました。

安からにお眠りくださいませ。
そして今までのご恩を決して忘れません。
ありがとうございました。

合掌

 

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