1位になれ!

快運動会

「気持ち悪い・・・」

朝起きて長男が言った。

いつもの登校より1時間早く目が覚めた運動会の朝。

「緊張する・・・」 初めて息子がそんな言葉を漏らした。

小学校に入った息子への楽しみを私は苦しみに変えてしまっているのだろうか?

運動会が大好き息子へ足の速くなる靴を今年の春に買ってやった。

喜んでみんなと走り回っていたが、どうみても一番になる足腰ではなかった。

夜は一緒に散歩に行き、公園では走る練習を好んでしていた。

「運動会に一番になったらおもちゃを買ってやるよ!」なんて言わない。

「一生懸命、腕を振って前を見ろ! 練習したから1位になるんや!」

初めて息子にプレッシャーというものをかけている自分がいた。

前日まで走ることを嫌いでない息子がトレーニングを終えて寝た。

その朝、気持ち悪いという・・・。

そういう自分も寝付けない夜を過ごした。 息子に期待しているのじゃない。

自分にかけたプレッシャーである。

思えば伝わる。 精神力の強さ。 それを求めている。

これからの現代に精神力の弱さは致命的となる。

自分がそうであるように。

息子がスタート地点に立つ前から私の鼓動はドクドクしていた。

順番が息子にくる。

他のお友達より、目は先生のピストルの先を見ていた!

「ヨーイ! パンっ!」

そのままゴールテープを一番に切った。 ずっと前を見ながら・・・。

息子;「1位になったよ」

親父;「おめでとう! すごかったな・・・」

息子;「うん」

親父;「運動会で何が一番楽しかった?」

息子;「そりゃ~50M走やん!」

まだ、1年生のかけっこである。

参加することが、楽しむことが、元気であることが目的やと思う。

息子への1位になれ!は私への言葉である。 

息子よ!ありがとう。 いつの間にか強くなってるんやな・・・。

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