長靴に防寒具に軍手、そして腰には蚊取り線香。
手には懐中電灯を持ち小雨混じる山に入った。
樹液の独特な臭いをかぎわけ、前へ進む。
まだ、誰も来てないのだろうか? 蜘蛛の巣がやたら目にひっかかる。
目的の木に灯りをはなつとノコギリクワガタがいた!
今年は雨が上がると通常、ムっとする暑さがあるのだが、爽やかな気候のせいか
あたりが少ないと刺繍職人が言う。
二人で森林へ入ること30分。 コクワガタ3匹で今日は終了。
子どもの頃から山へ入り自然と共有する。
決して木の皮をめくって傷つけたりせず、むやみに昆虫の組織を乱すことなく遊ぶ。スズメバチがでる8月は避けてカブトやゲンジ(クワガタ)採集をする。
喉が渇けばわき水を飲み、田んぼに舞うホタルを見ては幻想的とも思うことなく
琵琶湖の湖面に映る月夜を綺麗に思うでなく、過ごした。
当たり前だったから。
今は、自然に感謝し、景色に感謝して心を洗う。
そんな時間になっていることを人は羨ましく思うのだろう。
幼き頃の自然の臭いを嗅ぐと心が落ち着く。
臭いの記憶は最高のノスタルジーだ。